主催者挨拶 The organizer's message

高遠は桜の名所として全国的にその名を知られ、歴史と伝統を備えた町です。豊かな自然や温泉もあり、訪れる人々を愉しませる要素にも恵まれています。また、穏やかで温かい地元の人々の対応など、ほかでは得難い魅力を持っています。

その反面、鉄道駅がないことなどから、一年をとおして人を集めているとは言いがたいのが現状です。沢山の観光客を集める桜の時期は春先のごく一時期にかぎられます。
しかし、それは高遠が持っている魅力の全てがうまく伝えられていないということも理由の一つにあると思います。
高遠の魅力を確実にお伝えすることが出来れば、もっと多くの人がここを訪れるに違いないと私たちは思っています。

そこで、町をたくさんの観光客に歩いてもらうようにするために、どうすればいいか。おそらく、これまでに何度も話し合われたであろうことを、私たちなりに話し合い、少しずつ考えをつめてきました。
その結果、浮かび上がってきたのが、日本初の「ブックツーリズム」(本をかなめとする観光のスタイル)であり、その象徴とも言うべき「高遠ブックフェスティバル」です。
「ブックツーリズム」は、すでにヨーロッパなどでは広く知られ、各国に本による町おこしを成功させた例がありますが、日本ではまだこれからの分野です。日本は読書人口3千万人と言われる活字大国であるにもかかわらず、本に関するイベントのほぼすべてが都市部でしか行われません。本と観光とを結びつけて考えている地域も皆無だと思われます。

「高遠ブックフェスティバル」は、本が持つ文化的なイメージを中心に据えて、高遠の素晴らしい環境を見にきてもらおうという、全国初のイベントです。
「本」というキーワードを広く、緩く解釈し、地域と連動した催しをにぎやかに行って、近隣地域のみならず、関東圏、東海圏、関西圏からも本や本の周辺の景色が好きな方々を多数集めたい。高遠のメインストリートを観光客でいっぱいにしたいと考えています。
同時に、このイベントを毎年継続的に行うことにより、地域の子供たちがより積極的に本とふれあい、成長する過程で本との付き合い方を学んでいく一助となれば嬉しく思います。
そして、それら全てのことは私たちが最終的な目標としています「本の町」づくりに自然な形でつながっていくものと思っています。

ご興味をお持ちいただいた皆様には当日のお客様として、あるいはスタッフとして、この試みにご参加いただけることを心よりお待ち申し上げております。

高遠ブックフェスティバル実行委員会一同
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